熱膨張の制御を可能にする
負熱膨張材:ZrW2O8

概要

熱すると収縮する特性を持つ負熱膨張材の1つである、ZrW2O8の開発を進めています。
温度変化のある環境で用いられる電子機器や発熱部品の熱応力の緩和に用いることで、信頼性の向上への貢献が期待できます。

用途例

ご採用のメリット

  • ZrW2O8は温度上昇と共に収縮する負の熱膨張特性を持っており、各種基材との複合材を作ることで、基材の熱膨張が制御できます。
  • 有機物、無機物ともに混合が可能です。
  • 熱膨張係数の変化は混合体積比に比例する為、熱膨張係数の制御が容易です。(⼀定量以上のZrW2O8を正しく分散させた場合)
  • 広い温度範囲で安定的に負の熱膨張特性を発現します。
  • 分散性の向上と微小部品への適用に向けて、小粒径品の開発を進めております。

有機実装基板への添加効果のイメージ

基材と混合することで、温度変化による形状の変化量を抑制します。

ZrW2O8添加効果の例
(エポキシ樹脂混錬品のTMA測定結果)

負の熱膨張特性を持つZrW2O8を混合することで、熱膨張の緩和が可能です。

ZrW2O8負の熱膨張特性

TMA測定結果

Temperature(℃)

PhaseCTE(ppm/K)温度範囲(℃)
α-phase-9~ 155
α→β相変化-155 ~ 180
β-phase-4180 ~

*)圧粉体(密度:約65%)にてTMA測定

負の熱膨張メカニズム

ZrとWを結合する酸素原子(O)が熱エネルギーにより横方向に振動(回転)し、収縮します。

よくある質問

サンプルの提供はされているのでしょうか?

ご要望に応じて、サンプルのご提案を検討しております。お気軽にお問合せください。

どのような用途で検討されているのでしょうか?

封止材などの半導体実装材料や高温・低温環境下で用いられる構造体、異種材料間の接着剤など様々な用途で検討されております。

導電性はありますか?

電気的にほぼ絶縁の材料であり、絶縁性が求められる材料などのフィラーとしてご検討頂けます。

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